仕様を確認しようとして設計書を開いたとき、一部の内容が消えていることに気付きました。
前日まで確かに書かれていた章がごっそり抜けており、
念のため履歴を確認したところ、見覚えのないユーザーが更新を行っていたことが分かりました。
■ 原因は“誰かのうっかり更新”
調べてみると、同じ共有フォルダを使用していた別の担当者が、一部の内容を誤って削除したまま上書き保存してしまったことが原因でした。
しかも、そのとき自動保存がオンになっていたため、削除した内容が即座に保存されてしまったようです。
悪意はなく、完全に操作ミスによるものでしたが、結果的に設計情報の一部が失われました。
幸い、バージョン履歴から以前の状態を復元することで復旧できたため、大きな影響はありませんでしたが、
もし履歴機能がなければ手動で復元するしかなく、相当な工数が発生していたと思います。
■ 「共有ファイルの怖さ」は、運用ルールの曖昧さにある
共有ファイルは便利な一方で、誰でも開いて編集できる環境には常にリスクが伴います。
特にExcelやWordのような形式では、リアルタイムで誰が操作しているのか分かりにくく、誤って内容を削除したまま保存してしまうケースが起きやすいです。
自動保存機能がオンになっている場合、意図しない変更でも瞬時に反映されてしまうため、“気づいたときにはもう戻せない”という状況にもなりかねません。
このようなトラブルは、システム的な問題というよりも運用ルールの不明確さに原因があることが多いと感じます。
■ 再発防止のために意識したこと
今回の出来事をきっかけに、次のような対策をチーム内で徹底するようにしました。
- まずは「閲覧モード」で開く
確認だけであれば編集を防げます。 - 「_作業中」「_確定版」などの命名ルールを設定する
どのファイルが最新なのかを明確にし、混乱を防ぎます。 - 定期的にローカルバックアップを取る
クラウド履歴に頼りすぎず、自分でも保険を持つようにします。 - 編集権限の管理とルール化
誰がどのファイルを編集できるのかを明確にし、操作ミスのリスクを減らします。 - 自動保存をオフにする(または都度確認する)
特に複数人で扱うファイルは、自動保存が意図しない変更を確定させてしまうことがあります。
編集時のみオンにする、もしくはローカルで作業してからアップロードするなど、運用でカバーすることが大切です。
小さな工夫の積み重ねですが、こうした意識づけがトラブル防止につながります。
■ 消えた設計書が教えてくれたこと
人は誰でもミスをします。
どれだけ注意していても、クリックひとつ、設定ひとつで誤操作は起こります。
だからこそ、個人の注意ではなく、仕組みで防ぐことが大切です。
設計書は単なる文書ではなく、プロジェクトの根幹を支える知識の集合体です。
失われてから気づくのではなく、日常的に守る仕組みを整えておくことが重要だと感じました。
ファイルは人が壊す。だからこそ、仕組みで守る。
安定したチーム運営は、こうした小さな意識から始まるんだなぁと改めて思いました。

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