今回紹介するのは、前作はすでに映画化され、主人公・神尾武史を福山雅治さんが演じている本シリーズ『ブラック・ショーマンと覚醒する女たち』です。
今作は、前作『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』からの続き物というよりは、一章ごとにメインの女性が変わる連作短編集のような構成になっています。前作に比べて、読後感が少し「ハートフル」だったのが印象的でした。
あらすじ
亡き夫から莫大な遺産を相続した女性の前に絶縁したはずの兄が現れ、「あんたは偽者だ」といいだす。女性は一笑に付すが、一部始終を聞いていた元マジシャンのマスターは驚くべき謎解きを披露する。果たして嘘をついているのはどちらなのか――。謎に包まれたバー『トラップハンド』のマスターと、彼の華麗なる魔術によって変貌を遂げていく女性たちの物語。
「覚醒」という言葉に込められた意味
タイトルにある「覚醒」という言葉。読み進めるうちに、登場人物たちが自分の中の何かに気づき、「何かを決意したり、変化していく姿」が書かれていると感じました。
各章のひとことレビュー(ネタバレなし)
一話完結の短編集のような構成で、サクサク読み進められる本作。各エピソードを読んだ私の正直な感想をまとめました。
トラップハンド
改めて神尾武史が「どんな人物なのか」「何ができる人なのか」をおさらいするような一章。彼のマジシャンとしての卓越したテクニックと、人の心を見抜く鋭い観察眼を再認識させられます。
リノベの女 & 続・リノベの女
「こんなことが現実にできていいのだろうか?」という驚きはありつつも、登場人物たちにとってはこれ以上ない「理想的な終わり方」だったと感じます。その結末の良し悪しは客観的には測りきれませんが、5章まで読むことで「まぁ、ハッピーエンドか」と思える満足感がありました。
マボロシの女
あまり多くを語るとネタバレになるので控えますが、最後には「裏がありそう」と女の本性を疑ってしまう自分がいました。真相を知ると、どこかモヤっとした違和感が残る不思議なエピソードです。
相続人を宿す女
相続や裁判などの知識がフル活用されていて、「そんなことまであるのか?」と驚かされます。他のお話とは違い、理想的なハッピーエンドとは言い難い、どこか悲しさの残る結末が印象的でした。
査定する女
最後の一編。読み終わったとき、「あぁ、最後はあなたも『覚醒』するのね」と、タイトルの意味を改めて回収するような感覚になりました。
最後に:連続ドラマ化への期待✨
前作が映画化されていますが、今作のような短編構成なら、ぜひ一話完結の連続ドラマ化も期待したいところです。

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