開発現場のテレワーク、もう限界?開発エンジニア視点で考えるテレワークの対策案

時事ネタ

コロナ禍で急速に広がったテレワーク。
「通勤しなくていい」「集中できる」と歓迎された新しい働き方は、特にエンジニアの間で高評価でした。

しかし2024年〜2025年にかけて、大企業を中心に出社回帰の流れが強まっています。日立製作所、富士通、NTTなどの「週2日以上出社を標準」といった動きも話題になりました。

私自身、開発エンジニアとして約8年間の経験があります。

コロナ以前は、当然のように毎日会社に出社していましたが、コロナ以降は完全なフルリモートでの開発を経験しました。その後は、週に2〜3日の在宅勤務を取り入れたハイブリッド勤務も経験し、さまざまな働き方で開発業務に携わってきました。

それぞれの働き方に一長一短がありましたが、なぜ今、テレワークの見直しが起きているのか?
そして、開発現場にとっての“ちょうどいいテレワーク”とは何か?
開発エンジニア視点で考察してみます。

テレワークのメリットとデメリット

✅メリット

 ・集中しやすく、開発に没頭できる

 ・移動時間がゼロ、体力的にも楽

 ・プライベートとのバランスが取りやすい

 ・デスクの場所を用意しなくて済む(席のフリーアドレス化)

❌デメリット

 ・チャットに書いても誰も返さない“無人島感”

 ・書面レビューやがやりにくい

 ・雑談の減少によるアイデアの枯渇

 ・新人の孤立&育成のしづらさ

 ・確認が気軽にできない

開発現場で実際に起きていること

▼チームとしての仕事意識が薄くなる

私自身も、リモートの快適さを満喫していた一人です。
しかし、小さな不安やモヤモヤが蓄積すると、孤独感やチーム感の喪失に繋がります。

実際にフルリモートのプロジェクトにいたときは、リーダー、メンバーの顔を忘れ、仕事をしていてもチームとして動いている感覚が薄かったです。

最後はプロジェクトを離れるときに、プロジェクトリーダーの顔を忘れており、特に思いれもなく終わってしまいました。

上司と部下の関係が希薄になることが要因で、社員が成長と今の仕事へ不満を抱き、キャリアが見えないことから離職を考えるきっかけの一つになっています。

▼なぜか大切なこと・余計な事を話すことを躊躇してしまう

朝会や夕会のミーティングは30分枠で設定されているにもかかわらず、実際には5〜10分であっさり終わってしまうこともありました。

これまで私自身の経験では、ミーティング中に雑談や意見交換をすることで、思わぬアイデアが生まれたり、「あらかじめ確認しておいたほうがいいこと」や「見落としていた作業」に気づけたりする場面が多くありました。そうしたコミュニケーションは、ミスの予防やチームの質の向上にもつながっていたと感じます

また、対面の会議であれば、たとえ「こんなこと言っていいのかな……」とか「今このタイミングで話すのは気が引けるな」と思っていても、上司が笑って頷いてくれている様子が見えれば、安心して素直に話すことができていました。

加えて、会議中に「ちょっと耳打ちでフォローする」といったやり取りも、リモートでは難しくなります。たとえば、上司や後輩に「その話、今言わなくて大丈夫ですか?」といった小さな気遣いの“コソコソ話”ができないのも、意外と不便に感じる点です。

▼チャット上の他人の会話を遮りたくない

会話は主にチャットで行われていますが、グループチャット内で誰かの会話が続いていると、自分から新たな話題を切り出すのが難しく、結局質問できずに終わってしまったことがあります。その時は最後まで上司との認識相違があり、残業することになりました。


疑問が多い若手社員にとって、迅速なコミュニケーションが求められる場面では、ビジネス文書のように言い回しを考えたり、送るタイミングを気にしたりすること自体がストレスになります。


チャットには会話履歴が残るというメリットもありますが、必要な情報を探すよりも、直接話した方が早く済むと感じる場面も少なくありません。

▼メンバーの心身のコンディションが把握しづらくなる

出社していれば、顔色や口数、ちょっとした雑談から「疲れてるかも?」「元気がないな」と感じ取ることができます。しかし、フルリモートではそういった“非言語のシグナル”が見えません。


チャット上では元気そうでも、実は睡眠不足だったり、メンタルに不調を抱えていたりすることもあります。カメラOFFでの会議が続くと、なおさらチーム内での気づきは難しくなります。


特に、若手や新入社員の場合は「言い出しづらい」ことも多く、孤立→不調→離職という負のスパイラルに陥るケースもあります。

テレワークは“限界”じゃない。どう再設計すべきか?

最近の現場では週に何日か出社勤務をして顔合わせをするような傾向をしています。

フルリモートの限界点に気づいた現場は、ハイブリッドの“ちょうどよさ”を模索し始めているのです。

チームビルディングはオンラインで成り立たちません。

私の見解は、開発現場におけるテレワークの最適解は「目的ベースのハイブリッド型」です。

ポイント

  • 出社=コミュニケーション/学びの場
  • 在宅=集中と成果を出す場

そのためには、組織側の「出社の設計力」が問われます。
単なる「週2回出社してください」では、意味のないオフィス時間になる可能性もありえます。

出社する意味を考え、積極的にコミュケーションを撮ることが望ましくなると感じました。

テレワーク時代に“居場所”をつくるには

テレワークに完全な答えはありません。


でも、エンジニアの働きやすさと、チームの強さを両立させるために、出社と在宅の“使い分け”はこれからの鍵になると感じています。

私自身、若手の頃には、プロジェクトメンバーとして現場に参画していたこともありますが、現在では中堅社員としてプロジェクトリーダーを務める機会も増えてきました。

視野を広げ、孤独を感じず、成長できる。そんな“リモートでもつながれる開発現場”を、これからも模索していきたいと思います。

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