【読書感想】『さみしい夜にはペンを持て』ー自分との人間関係を築くための本ー

読書感想

今回は『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』 の著者である古賀史健さんが13歳に向けて書き下ろした「自分を好きになる」書き方の寓話の『さみしい夜にはペンを持て』をご紹介します。

まずはこの表紙を見てください。

とても美しい海の中、中心にはペンとノートを持つかわいらしい主人公のタコジロー。
本書の中もデザインが凝っており、世界観が美しく読んでいて癒される本でした。

読むときっと日記を書きたくなる。書くことの楽しさをやさしく教えてくれます。

文章を書くことに興味がある方や、自分自身を見つめ直したい方におすすめの一冊です

あらすじ

これはただの物語じゃない。
長編詩であり、冒険絵本であり、そして、すべての少年少女のハンドブック
『嫌われる勇気』の著者・古賀史健が、はじめて13歳に向けて書き下ろした、“自分との関係を築く”ための寓話です。

🐙物語の主人公は「タコジロー」🐙
「うみのなか中学校」に通うタコジローは、学校にも居場所がなく、自分のことが大嫌い。
そんなある日、ヤドカリおじさんという不思議な存在と出会ったことで、彼の世界が静かに、けれど確実に変わり始めます。

書くことで見えてくる、心の奥底にいる自分は何を考え、何を望んでいるのか。これから自分はどこへ行くのかー。書くことで自分自身と対話をし、自分自身を向き合い、自分を知ることで今の自分がきっと好きになる。

書くことで自分と対話する

この本では書くことが、「自分って本当はどう思ってるんだろう?」と心の奥に問いかける作業であると伝えています。

誰にも話せないこと、相談できないことを文字にすることで、自分自身にそっと声をかける。そして、「ああ、自分はこんなふうに感じていたんだ」と、少しずつ納得できるようになるのです。

また、話すことと違って、書くことには「取り消しができる」という特長があります。誰かを不用意に傷つけてしまう心配もなく、自分だけのペースで、自分だけの言葉を綴ることができる。

それが「書く」ことの魅力であり、静かな強さでもあるのだと、この本は教えてくれました。

でも、何を書いたらいいかわからない

まさにタコジロー君が私の思いを代弁してくれました。

「お題がないから日記を書こうとすると、何を書いたらいいかわからない。」

日記を書こうとしても毎日当たり障りのないことだけで内容が濃くないから何を書いたらいいかわからず、三日坊主になります。

この本書ではこう書かれています。

出来事ではなく「考えたこと」を書く

うん。これならできそう。

毎日特に何があったわけでもなく、いつも通りの日常が過ぎていく。

・電車に乗って出社する
・仕事する
・お昼食べる
・仕事する
・電車に乗って帰る
・ご飯食べる
・寝る

今の私ならこのように書いてみる。

・電車が遅延している。間に合うか不安だなぁ。でも、座れたな。ラッキー!
・プレゼンとても緊張したけど何とか出来た。
・コンビニに新しいグミが入荷されてた!私はそんなに好きじゃない味だった。。。
・会議がないから自分の作業に集中できるぞ。はい、障害を見つけました!!!
・電車に乗って帰る。楽天がお米を販売しててすぐ売り切れたことを知る。
・ご飯食べてるときに、いつもと違うカレーのルーを使っていることを見抜けた。
・寝る前に今日会ったことを振り返る。

細かく書かなくても2行で終わってしまうこともありましたが、
1日3行を目標に書いていくうちに、今は100~200文字くらいで日記を書いています。

もちろん毎日必ずではなく、ゆるくやってます。文章の時もあれば、箇条書きの時もあります。
厳しくルールを決めないのがマイルールです。

私は心理学やポジティブ心理学の分野でよく使われる、感謝や前向きな気持ちを育てるシンプルなワークスリーグッドシングス(Three Good Things)」も取り入れています。

一言だけ簡単にその日にあったこと、思ったことを書き出すだけです。基本的にポジティブな感情が動いたときを書きますが、ネガティブな感情も入れることでさらに自分の気持ちの理解とコントロールができるようになったと感じました。

愚痴や悪口、ネガティブになってしまう

どうしてもネガティブな感情と記憶が残りやすく、私の日記にも愚痴から始まることが多いです。

基本的には満員電車の愚痴ですがw

人と関わる仕事をリモートワークで実施している為、どうしてもクライアントや上司、後輩、BP(ビジネスパートナー)に対して不安や不満が漏れ出てきてしまいます。

だって人間だもの。

この本が教えてくれてたことは、そのようなネガティブな感情は「なかったことにしたいから書きたくない。」と思いがちだが、『そういう自分』はいる。『そういう現実』はある。
書くことで目に見えない悩みを実体化し、解決に向かうことができるということでした。

悩み事を二つに分けて考えてみる

今の私悩みを3つ挙げてみます。

・最近、体調とメンタルが不調になってきた
・職場のコミュニケーション不足
・明日は大雨

これを『心配ごと』『考えごと』の二つに分けていく。

心配ごと:『今の自分にできること』が1つもない
 ・明日は大雨

考えごと:『今の自分にできること』が1つでもある。
 ・職場のコミュニケーション不足
 ・最近、体調とメンタルが不調になってきた

考え事の悩みの比率がどうしても多くなってしましましたが、それでもそうしようもないことを考える時間を省けたと考えましょう。

ここから、今の自分にできることを考え、ノートに残すこと、それを実践することで解決に向かえていけると日々努力しています。

なぜ書くのか?

「めんどくさい」「忘れちゃった」――そんな理由で、文章は長続きしないと思われがちです。

本書では、書き続けることが難しいのは「成長を感じにくいから」だと綴られています。
誰にも見られず、点数もつかない。褒められることもない。だから、手ごたえがなくて続かないのだと。

けれど、書くことの本質は「わかってもらおう」とすることにある、とこの本は教えてくれます。

日記には、たしかに読者がいます。それは、未来の自分です。
未来の自分に向けて気持ちを伝えたい。だから、「わかってもらおう」とする。
その思いがあるから、言葉を選び、気持ちを整理し、丁寧に書こうとする。書き残そうとする。

もし読者がいなければ、「わかってもらおう」とする必要もなくなるでしょう。
でも、自分自身がその読者ならどうでしょうか。

書くことは、自分が自分に「わかってほしい」と願う行為。
だから私たちは、今日もペンをとるのかもしれません。

最後に

本書では、日記を書くことを「まず10日間続けてみる」ことを勧めています。

私にとって書くことは、いまでは感情の避難所であり、自分を知るための記録になりました。

不安なときや、自分の気持ちがよくわからなくなったとき――
そんなときは、その日の出来事や心に浮かんだ感情を、書き残すようにしています。

実は、私は10日間毎日書き続けることはできませんでした。
でも、それでもいいんだと思います。書くことは、少しずつ習慣になっていきました。
今では、ほぼ毎日、自然と日記を綴るようになっています。


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さみしい夜にはペンを持て

余談ですが、今年の3月に第2弾『さみしい夜のページをめくれ』が出版されていました。

『「読む」こと』をテーマに不確かな、広い世界との人間関係を築く本。

読んだらまた感想を載せたいと思います。


自己紹介
この記事を書いた人
くまの部屋

現場歴7年くらいの中堅女性エンジニア。
一度立ち止まって、休職。もう一度、自分のペースで復職。

ブログでは、開発現場で見えてきた「リアルな声」、女性エンジニアとしての気づき、そして、休んだ人だからこそ語れる“これからの働き方”を綴っていきたいと考えています。
休職をきっかけに同じ境遇の人に共感でき、誰かのためになれるようなブログを書いていきたいです。

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